2026年11月
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    小園海斗(写真:産経新聞社)

     華やかなフリーエージェント(FA)戦線の陰で、思わぬ「大物」をめぐる争奪戦が進行している。広島から来季の契約を結ばないと通告された小園海斗内野手だ。

    「ゾンビたばこ」騒動の余波によって自由契約となる見通しで、当初は他球団も獲得に二の足を踏むとの見方が大勢だった。ところが水面下ではソフトバンク、巨人、DeNA、楽天、ロッテの5球団が獲得調査に乗り出していたとの情報が浮上。昨季の首位打者が、予想外の“注目銘柄”に変わりつつある。

    現役続行を望む小園、関心を示す球団

     もっとも、5球団が横一線で獲得を競っているわけではない。球界関係者の話を総合すると、いち早く関心を示したソフトバンクと、松井秀喜新監督を迎えた巨人は検討を重ねた末に結局のところ撤退の方向へ傾いた模様だ。残るDeNA、楽天、ロッテが新天地の有力候補とみられている。特にパ・リーグの楽天とロッテを有力視する声も聞かれる。

     ただし、これらはあくまで獲得調査をめぐる情報であり、正式な交渉開始を意味するものではない。NPBでは例年12月2日に次年度契約保留選手名簿が公示され、名簿から外れた選手は自由契約となる。小園も自由契約選手として公示されれば他球団との交渉が可能となり、その時こそ水面下の動きが本格的な争奪戦へと発展する“ゴング”が鳴らされることになりそうだ。

     そもそも、小園を取り巻く事情は通常の戦力外選手とは大きく異なる。10月1日、広島は小園を含む4選手と来季の契約を結ばないと公式に発表した。発端は元広島選手の羽月隆太郎が指定薬物エトミデート、通称「ゾンビたばこ」を使用した事件だ。小園については、事件に関連する人物との交友関係を示す写真が週刊誌に掲載された。一方、同問題で小園自身が逮捕、書類送検されたとの公表事実はない。

     ここは決して曖昧にしてはならない。広島球団側は、対象となった選手たちが薬物を使用した事実は確認できていないと説明している。それでも来季の契約を結ばない決断を下した背景には、信頼関係を維持することの難しさがあった。違法行為が認定されたから契約を打ち切った、という話ではない。小園自身も潔白を主張し、現役を続けたいとの意思を示している。

     それでも獲得を検討する球団が慎重になり得るのは、違法行為の有無とは別に、交友関係をめぐる報道や広島球団が信頼関係の維持は難しいと判断した経緯があるためだろう。獲得すれば監督や編成責任者は、なぜ受け入れを決めたのか説明を求められる。スポンサーやファンの反応も未知数だ。万一、新たな報道があれば再び渦中に立つ可能性もある。犯罪への関与を疑い続けることと、組織として説明責任を検討することは別問題だが、球団経営の現実として後者を無視するわけにはいかない。

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