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    Discordの共同創業者兼CTOであるStanislav Vishnevskiy氏は11月5日、Discordのデスクトップ版およびモバイル版のクライアントを、Rustベースのネイティブアプリケーションとして刷新する方針を明かした。近日中にユーザー向けテストへの投入を目指すという。

    コミュニケーションアプリDiscordの現在のデスクトップ版クライアントでは、Web技術を用いてデスクトップアプリを構築できるフレームワーク「Electron」が利用されている。Electronはクロスプラットフォーム対応が容易であることなどから、2010年代後半に普及した一方で、アプリケーションのサイズやメモリ消費量が大きいという弱点も存在。現在ではより軽量な後発のフレームワークと比較されることもあるものの、「Visual Studio Code」や「Slack」など依然としてElectronを採用しているプロジェクトは多い。ちなみにDiscordのモバイル版アプリは現在、iOS版・Android版がともにReact Nativeで構築されている。

    *Electronを採用するプロジェクト

    そんなDiscordでは近年、Rustの採用が進められてきた。RustはMozillaの支援のもとで開発が進められ、現在はオープンソースで開発がおこなわれているプログラミング言語だ。処理速度やメモリ効率、安全性に優れる点が特徴で、Stack Overflowの調査では「most admired language(旧most loved language)」に、2025年まで10年連続で首位に選ばれてきた。Vishnevskiy氏によれば、Discordでは2018年頃からRustの採用を開始し、すでにインフラや音声技術、クライアントの一部がRustで作られているとのこと。

    そしてDiscordのデスクトップ版について、一部のユーザーからはRust製のフレームワーク「Tauri」への移行を求める声が上がっていた。TauriはElectronの代替として注目を集めており、描画に用いるブラウザエンジンであるChromiumをアプリに同梱するElectronに対して、TauriではOS側のWebViewを利用することで、ブラウザエンジンを配布しないことが特徴。これにより、アプリサイズを小さくすることが可能となっている。

    とはいえ11月3日にVishnevskiy氏は、Xユーザーへの返信の中で、Tauriの採用を否定。また、Discordが1個ではなく2個のChromiumインスタンスを動かすようになるだろうというXユーザーのジョークに対しては「Or 0(もしくは0個かも)」と述べ、Chromiumからの脱却を示唆。こうした反応からコミュニティでは、Tauriではなく、ブラウザエンジンを用いずにGPUで直接描画をおこなうRust製のGUIフレームワーク「GPUI」の採用を予想する声も一部で上がっていた。

    そして今回Vishnevskiy氏によって、改めてElectronを廃止し、Rustベースの構成へと完全に移行することが明かされた。GUIフレームワークとしては、事前の予想にもあったGPUIが実際に使われるとの“答え合わせ”もおこなわれており、大規模な改築になることも予想される。またモバイル版ではネイティブUIを維持しつつ、Rustを通じてデスクトップ版とコードを共有するという。

    We’ve been early adopters of Rust since 2018 and a lot of our infra, voice tech, and even some of the current client is already Rust, the holy grail was getting the whole client there. That means Electron goes away, and so does React Native, mobile keeps native UI but shares app… https://t.co/2CgWyOzaq0 pic.twitter.com/IdOGd4nUgl

    — Stanislav (@svishnevskiy) November 4, 2026

    なおポストに添付されたスクリーンショットでは、Discordが約290MBで動作している様子も映し出されている。どのような動作状況での数値かは不明ながら、これまでDiscordは通常時でも500MBから1GB弱のメモリを消費することがあったため、軽量化に期待できそうだ。

    ゲームプレイ中のボイスチャット用途でも使用されているDiscord。メモリ消費量が減ったり、動作速度が向上したりすれば、多くのゲーマーにとって快適度が増しそうだ。近日中にユーザー向けテストへの投入を目指すといい、Discordが今後どのような進化を遂げるのか注目したい。

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