2026年11月
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    2026年に発表された世界幸福度ランキングで、フィンランドが9年連続1位に輝きました。「世界一幸せな国」として知られるこの国で、人々はどのように暮らし、働いているのでしょうか。

    日本のビジネス社会では、前に出る人、すぐに意見を言える人、自分の成果をうまく伝えられる人が評価されがちです。「もっと積極的にならなければ」「自分の意見をはっきり伝えなければ」と感じたことがある人もいるかもしれません。でも、内向的で口数の少ない「静かな人」にも、その人ならではの強みや働き方があります。無理に自分を変えなくても、自分らしく働くことはできる。そんな考え方を教えてくれるのが、書籍『幸せの国フィンランドに学ぶ「静かな人」の働き方』(SBクリエイティブ)です。著者の大石由弥さんは、Googleでの勤務やスイスでの海外勤務を経て、現在はフィンランドの企業で人事領域に携わっています。本書では、フィンランドでの仕事や暮らし、現地の人々との交流を通して見つけた、自分らしく生きるためのヒントがつづられています。

    本書から一部を抜粋・編集してお届けする前編は、フィンランドに移住した大石さんが、周囲の期待に応えたい、成果を出したいという一心で働いていたところ、職場で「働きすぎないで」と注意された経験を紹介します。その言葉にはどのような背景があったのでしょうか。大石さんの体験を通して、フィンランドの人々が幸せに働ける理由を紐解きます。

    仕事の「人生での置き場所」を変える

    静かな人が強みを生かし、幸せに働く最初のヒントは、仕事が自分の人生のどこに置かれているかを見直すことです。少し大げさに聞こえるかもしれません。でも、ここがずれていると、他のどんな工夫も効きにくくなります。静かな人は頼まれた仕事に丁寧に向き合うので、気づかないうちに仕事の割合が人生の中で大きくなりすぎてしまいます。そして、仕事の占める割合が大きいほど落ち込みも大きく、仕事で否定されると、人として否定されたように思えてしまいます。

    小さな失敗が、自分の存在まで揺るがしてしまう。私もそうでした。仕事がすべてだと思っていたので、うまくいかない時期は自分に価値がないように感じました。卵を1つのかごに全部入れているような状態です。落とせば、全部が割れてしまいます。仕事という1つのかごに自分の価値を全部のせていると、仕事でつまずいたとき、自分そのものが割れてしまうような気がしてきます。かごをいくつかに分けておく。この項目でお伝えしたいのは、その考え方です。

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