
阪神に残留することが決まった伏見
Photo By スポニチ
阪神・伏見寅威捕手(36)が、9月に再取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使せずに残留することが5日、分かった。この日までに球団と交渉を重ね複数年契約を提示され、今季年俸1億円から増額でサインしたとみられる。移籍1年目の今季は、高橋と最優秀バッテリー賞に輝くなど巧みなリードと勝負強さでリーグ連覇に貢献。野手最年長の女房役が、来季以降もタテジマのユニホームに袖を通す。
3連覇を狙う阪神に不可欠な伏見の残留が決まった。今季最終戦となった10月17日、DeNAとのCSファイナルS第4戦後、「今は話せることがありません」と語っていたが、熟考を重ねた上で権利を行使せず、残留の結論を出した。球団はセ・リーグ連覇に貢献したベテランの活躍を高く評価しており、複数年契約と今季の年俸1億円からの増額を提示したとみられる。近日中に決断に至った経緯を会見で語る。
移籍1年目の今季は扇の要として存在感を発揮。昨季全試合をチェックし、虎投手陣の傾向を把握した上で新天地に臨んだ。長いプロキャリアに裏打ちされた巧みなリードでけん引。守備では失策ゼロを誇り、シーズン打率・221(131打数29安打)ながら得点圏打率・359(39打数14安打)を残した。好機でのタイムリーなど勝負強さも光った。ベンチでは常に声を張り上げてナインを鼓舞し、野手最年長ながら、ムードメーカーとしても猛虎の一体感を生み出していた。
特に“ハルトラ”の存在感が光った。高橋遥人の潜在能力を引き出し、左腕の今季16勝のうち13勝は伏見がマスクをかぶった。本紙制定の最優秀バッテリー賞では、昨年の伊藤とのコンビに続き、創設以来、初めてセ・パ両リーグで受賞。常に投手主体の投球を心がけた。「どうしても相手バッターに合わせがちになり、そうすると自分のピッチングができずに難しい投球になってしまう。基本は投手が投げやすいように考えてあげること。それを大事にしている。相手打線に1、2人いるキーマンをどう攻めるのかというのを話し合う」。その矜持(きょうじ)を持って凡打の山を築かせた。
「ボールだけでなく緊張や不安も受け止めてくれた。成績に一番影響を与えてくれたのは寅威さん」と高橋が語る通り、精神面でエースの支えとなり続けた。相棒の魅力を100%引き出し、沢村賞投手にまで押し上げたインサイドワークは来季、3連覇を目指す猛虎に欠かせない。伏見自身も誠意と熱意を示してくれた球団に感謝している。ここぞの場面で頼りになる、勝たせる捕手が、猛虎残留を決断した。
