南海トラフ地震の津波が大阪を襲うとき ― 道路は水路になる【3Dシミュレーション】
南海トラフ巨大地震の津波が大阪の街に達したとき、何が起きるのか。
大阪港・安治川周辺の 2.2km×4.2km を、建物の一棟一棟まで三次元で再現した津波浸水シミュレーションで見ていきます。
標高の低い地域は大半が浸水し、道路は水路のようになります。
海底トンネルも冠水し、逃げるための道そのものが失われます。
一方で大阪には、津波の到達まで約110分――およそ2時間の猶予があります。これは他の多くの地域にはない大きな利点ですが、「2時間何もしなくてよい」という意味ではありません。
そして1707年の宝永地震では、大坂の陸上の浸水は1m未満だったにもかかわらず、7,000人を超える人が溺死しています。
被害を決めたのは水の深さではなく、「どこへ逃げたか」でした。
■ 目次
0:00 はじめに
0:12 ① 国の被害想定 ― 発生確率と大阪の津波
1:02 ② 津波の到達 ― 3Dシミュレーション
1:49 道路は水路になる
2:26 浸水深2m、水圧は1m²あたり約2トン
2:46 海底トンネルの冠水 ― 逃げ道が断たれる
3:30 ③ 2時間の猶予をどう使うか
4:10 垂直避難と、1707年の教訓
■ 解析条件
・解析領域:大阪港・安治川周辺 2.2km×4.2km(建物形状を個別にモデル化)
・津波波源:内閣府「南海トラフの巨大地震モデル検討会」11ケースのうちケース④(大阪市で最大津波高が生じるケース)
・堤防は、津波が越えた時点で機能しなくなる条件
・広域を2次元で解析し、その結果を3次元領域の入射境界条件として与える
・地震発生から1時間43分後に3次元解析を開始し、
大阪港の水位が最も高くなる約25分間(1500秒)を計算
・結果:津波襲来20分後に浸水深2m以上、建物基部の水圧20kPa以上
※ 海底トンネルの浸水シミュレーションは、高潮の災害シナリオを想定して 計算した例です。津波の場合も、水が入口を越えて流れ込めば 同様の現象が生じます。映像は再生を早めています。
■ 出典
・地震調査研究推進本部 地震調査委員会
「南海トラフの地震活動の長期評価」2025年9月26日改訂
(今後30年以内の発生確率 60〜90%程度以上)
・内閣府「南海トラフ巨大地震の被害想定」2025年3月
(死者 最大 約29万8千人/うち津波による死者 約21万5千人)
・内閣府「南海トラフの巨大地震モデル検討会」平成24年8月29日公表
・大阪府危機管理室「南海トラフ巨大地震に関する地震・津波ハザード」
・大阪市「南海トラフ巨大地震による大阪市域の想定」
(大阪港付近に地震の約110分後、高さ約5mの津波が到達)
・大阪市「津波避難ビル」指定要件(新耐震基準・鉄筋コンクリート造・3階以上)
・長尾武(2016)「宝永地震津波、大坂における津波の遡上と被害」歴史地震 第31号
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6件のコメント
電車に乗っていたら、これ又どう逃げたらいいか。
こんな大阪に副都心は、無理でしょう。
南海トラフ地震が来ると言って、もう15年経ちました
まだ今後30年といっています
15年前も今後30年って言ってましたよね
今後30年の地震が60~90%と試算出来るなら、なぜ熊本の地震は分からなかったのでしょうか?
ぜひ教えてください。
都心部も大事なのはわかるけど他の市町村してよ。何回も見てる、都心部有名すぎる。
地下鉄には水が流れこみ、逃げられない人はドザエモンになるしかない。
大阪湾の形状からすると
地震の位置によって全然変わると思うんですよね
鎌田先生の話では2035±5年かな? まあ、10年後に来ると思っておくことですね。対応準備中です。